深ヨミ浅ヨミ、大人ヨミ

この愉しさ、オトナの特権。コドモ時代には分からなかったアレコレ。

『文豪ストレイドッグス』 文豪の名と作品名が出てくるけど臆することなかったのね…と、ちょっと拍子抜け。安心とガッカリ。

原作コミックの人気が急上昇したときにちょっと躊躇した。

そのまま縁が遠のいたままだった。

アニメ化されていたことも知ってはいたが、観ていなかった。

 

7月アニメが一斉に最終回を迎え、10月アニメのスタートまで間が空く

わずかな隙間の時間に、「じゃあ、観てみるか」と選んだのがこの作品。

--実在した文豪の名を持つ異能力者たちがヨコハマを舞台にバトルを繰り広げる--

設定をカンタンに文字にすると、こんなカンジだ。

 

出てくる人物それぞれに実在の作家の名と派生概念が持たされていて、

それが意外と無理がない。

アニメの作画は、原作のイメージを保ちつつも、

より個性的で表情豊かに描かれている。

 

作家名や作品名が沢山出てくるが、実際にそれらの作品を読んだことがなくても、

作家の名前すら知らなくても、ストーリーを追ううえで何ら支障はない。

その点は作品タイトルから受けるイメージと異なる。かつて文学少女

自称していた頃の記憶も知識もすっかり失ってしまった自分には助かる一方で、

もっともっと文学ワールドどっぷりの世界でもいいのに、と物足りなさも感じる。

文豪の人生や性格、作品ひとつひとつの奥深さをたどったら、もう底なしに深く

暗く重くなれるだろう。

しかしまあ、そう考えると、逆にこの程度のライトな引用くらいが

いい塩梅なのかもしれない。

 

イケメンたちの活躍と素敵ボイスにときめきながら、

久々に「羅生門」など読んでみようかしら、などと思ってしまった。

読書への誘因効果、本当にあるのかもしれない。